私の本物の表情
yamadahifumi

時が笑い

私も笑う

子供達が泣き

大人達も泣く

知らず知らず、私達は

「笑う」事を忘れている

お笑い芸人の一発ギャグで顔をほころばせ

会社と家族では怖い顔

泣けるメロドラマにほろりと泣いても

市街を行けば無表情

私達の感情はどこにあるのか

どこに私達は感情を置き忘れてきたというのか

そこで「時」を遡れば

生まれた時に大泣きした自らの姿が見える

逆に時の流れを早めれば

死に際して笑っているもみくちゃの自分の顔がある

そこでこの二つの感情が

私達の発する、多分、真実(ほんと)の表情だという事に気づく

私達はこの日常で、どれほどこせこせと

自分達の感情を押し殺している事か

逆に、愚かなバカ笑いや悲しんだフリが

いかに氾濫している事か

私は今、ここで世界に背を向けて泣く

そして、同時に世界の方を向いて笑う

それが私のたった一つの本物の感情

残念ながら、その表情はこの「世界」によって

誰にも見えないように仕組まれているのだが


自由詩 私の本物の表情 Copyright yamadahifumi 2013-06-05 07:18:47
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