貧乳ちゃんと涙と悲しみと。
元親 ミッド
泣きたい時に 思いっきり泣けたら
どれほど 人は救われるでしょうか
だけども 人は 泣きたい時に泣けずに
ぐっとこらえてしまうのです。
死にたい時に 死ぬことができたなら
どれほど人は 救われるでしょうか
だけども人は 死にたい時には死ぬことができず
死にたくない時に 死んでしまうものなのです。
僕は 神さまの存在を信じてはいないけれど
もしも宇宙のどこかに 神さまがいるのだとしたら
なんて我儘で なんて捻くれてて
なんて意地悪なんだろうって 思うでしょうね。
あのこは言った。
泣きたくなったら あたしの胸で泣いたらいいよって。
続けて 貧乳だけどねって言って笑った。
さてはて 泣くことに貧乳も巨乳も関係なかろうにと
思ったけれど 僕はただ
あのこの優しさが 本当にうれしかった。
あのこが 微笑んでくれると
それだけで 僕は幸せをかみしめることができた。
そして そこには すでに悲しみが
そっと息づいていることに気が付いていた。
人は喜びを知り
失いたくないものを得てしまった時には
同時に悲しみや
苦しみが そこに用意されているものだから
あのこの優しさに うれしいと思えば思うほど
僕は すでに悲しみと苦しみが
そこにあることを知っていた。