天使は川辺にて
るるりら

しずかな つばさの抑揚に
呼吸を あわしながら歩きます
しろさの きわだつ蝶を
追うとき わたしの 肩甲骨も
空を感じてました

「おたんぽぽしてるの
ふうてん とばそ」

ちいさいひとが 川岸の野草から  
ひょっこり 現れて
ちいさいひとの ことばは
おとが ひとつ おおかったりするのです
おとがどこか はずれていたりもするのです
ゆれるのです ことばも 草のように風の中です

姫ジョオンも ゆれています
蝶の軌跡も ゆらいでます
ちいさいひとの 肩が それにあわせて
ゆれています

わたしの肩甲骨も
ゆれています

すこしばかり歩いたでしょうか
藪を抜けると
そこは 川

刹那 水音が消え
光がわたしを 足元から照り返し
わたしの指を 五つのやわらかい五本の指が
にぎってくれ 笑いあったとき
わたしは ふわと浮上したのでした

帽子が ふわと
飛んだだけなのに
わたしとその子の 体が
浮いたように感じたのは

ほんとうのような気がします




****************************
即興ゴルコンダ(仮)に投稿させていただいたものに若干の修正を加えました。http://anapai.com/CGI/cbbs/cbbs.cgi
御題は ナナ・クマスキーさんです。


自由詩 天使は川辺にて Copyright るるりら 2013-05-30 09:42:17
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
るるりらの 即興ゴルゴンダ