白詰草
中村 くらげ

歩き疲れた僕たちは

陽だまりのベンチに座って

辺り一面を覆った白詰草が

蜜の香る風に揺れているのを見ていた


君の目はいつの間にか四つ葉を探していて

僕はそのうちに花を摘んで輪っかをつくる

そんな子供みたいなプレゼントを

君は大事そうに薬指へ乗せて笑った


他の誰かからみればよくあるストーリーでも

ふたりで切り取れば宝石みたいに輝いている

そんな何気ない一瞬の喜びを

嬉しい時すぐ取り出せるように

クッキーの空き箱にでも入れておきたいの


ふたりならいつも笑っていられる

約束をするから

ちいさなキラキラを少しづつ

箱いっぱいにしてみたいな










自由詩 白詰草 Copyright 中村 くらげ 2013-05-29 18:30:44
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