叫ぶ子供たち
灰泥軽茶

幼稚園のそばを通ると
叫ぶような声で子供たちが歌っている

歌っているというよりは
ぼくのわたしの声が一番大きいんだぞと
叫んでいるようで
うるさくてしょうがないんだけれど
楽しくなってくる

わたしは最近叫んでいないし
大きな声も出していない
そんな必要にかられる場面もないし
街中でばったり
少し遠くを知人が歩いていても
人目はばからず
おぅいおぅいと手を振り
なんて久しぶりなんだなんて言わずに
ぷいぃとやり過ごしてしまうかんじだ

しかしよく考えたら私は笛を吹く
下手くそな笛を大きな音を鳴らして吹く
願わばうるさくてしょうがないなと
笑いながら見物してくれればいいのだが
無関心を装い通り過ぎる人ばかりだ

あの子たちのように
全身をふりしぼって何かを表現するようになりたいなと
小さな発見をし少し嬉しくもなり
園児たちの声を聴いていると
恥ずかしくもなるそんな気持ちである


自由詩 叫ぶ子供たち Copyright 灰泥軽茶 2013-05-25 23:04:46
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