三十本
もっぷ

最後ですから百本を
断られて三十本
あなたを送る白薔薇たちは
一週間後に燃えました

木箱のなかのあなたには
みえましたか
ちゃんと香りましたか
それとも

壺の入ったさらにまた木箱を
抱きしめて帰る道道
わたしは泣かなかったんです

まだおしまいを掴み損ねていました
ただ白煙を追って空をみあげたあの日の意味を
いま、初めて悟ったようです



自由詩 三十本 Copyright もっぷ 2013-05-25 14:50:53
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