フォルテの風
月乃助



詩を詠むように
風を読むものたちがいる


読経の声
いや、それは蜂の羽音にも似た
風だった


見上げれば、しばらく忘れていた空が
いそぐ雲を 連れ立ち ♯


つれづれに
誘われるまま
鉄をふる


それは、
薪を割る斧ほどの強固さも
雪をかくシャベルほどの重さもないのは、 長さだけの
暮らしがささえる きびしい利便性の欠けている


七番の刻印
僕の微力は、130ヤードの先まで
かりそめに ♭ まっすぐな道をもとめても
天つ風に 右往左往するばかり


力をこめれば
邪・魔でしかなく
空の 一点へと意識をおいやり
たゆたう小さな丸い 白い影のゆくさきに心をつぶす


壮年か 老年か
女も子供も まして若者ならなおさら みむきもしない
斜陽の緑の原にいきつく日


穏やかな目に
巨きな円をえがくことを
心にあつめ


なんども 幾度も f
叱咤するように地球をたたく








自由詩 フォルテの風 Copyright 月乃助 2013-05-24 17:53:56
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