爪を切る
もっぷ

きのう爪を切った
生きていることを感じながら丁寧に切った
今朝、前髪が目にうるさい
しっかりと目覚めてから切ろうかなと思う

1ミリか2ミリで全然違ってくることは知っている
前髪を切ったら洗濯をしよう
ビルの時間も許すはずだ
ただ、雀すら鴉すら鳴かないこの朝が気になる

受信に失敗してほんの少し狂っている電波時計をみていると
どんどん秒の経つのがわかる
死へと向かっている、刻一刻と

会いたい、かつてのいのちたちの許へゆけるけれど
まだまだわたしは生き続けることを自分に願っている
伸びたらまた丁寧に、爪を切るだろう



自由詩 爪を切る Copyright もっぷ 2013-05-24 08:56:03
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