雨もよもよ
灰泥軽茶

家を出たとたん
タピオカころころ雨粒ころころ
大きな傘さしチャリに乗る
ぱらぱら降ってすぐ止むかんじ

春風ちょっと強いかな
子供が傘でちょっと浮いている
楽しそうに笑って
台風かね台風かねと
どこかに飛んで行きたそう

うっすら明るくなってきて
やっぱりそうだよかったよかった
傘をたたんでペダルに力を入れたとたん
タピオカころころ雨粒ころころ
女の子たちが四角い油あげみたいな
タオルを申し訳程度に頭にのせて歩いている

本屋に逃げ込みふらふら小一時間
ちょっと外を覗いてみると
とうとう止んでる感じ
やぁとスニーカーをきゅきゅと鳴らすと
なんだよく見りゃみんな傘さしている

ドアが開けばシャーペンの芯みたいな
しゃあしゃあ綺麗な雨もよう
いつのまにか傘がくの字に曲がっている
えいと力を入れればくへの字に
あぁなんだかなんだか
もよもよした一日だったなと
クリームパンを頬張っても
なんだかとても湿気っているよ



自由詩 雨もよもよ Copyright 灰泥軽茶 2013-05-19 21:33:20
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