長い休符
アラガイs


いつも物思いに耽っているではないか
夜が明けるときの音が嫌いだ
それにしても静かな音楽が聴けなくなっている
もちろん騒音に酔いしれることもない
鼓膜は伝わる息を避けている
要するに寂しすぎて眼を閉じる余裕がないのだ
耳を開いてみよう
一日くらいテレビを見ない
そんな余裕があってもいい
そう考えてみれば、
しかし、何と気の抜けた暮らしぶりだろう
生活は惰性に慣れることをすでに受け入れてしまっている
息をしながらも吐き出した実感がない
つまり吐き出した息は吸い込んだ息のままで、何も還元されてはいない
ここまで憂鬱さを飼い慣らしてくると、自分の吐いた息までもわからなくなってしまう
ただ真夜中になれば暗闇のなかを歩きたくなる
音が欲しい
研ぎ澄まされた耳

そこに目印は見あたらない
空間を探しに何処をさまよう
知らない街のなかで無関心に過ごすよりも
住み慣れた土地で孤独を装いながら暮らすのは辛い
肩に重く陽射しが降りそそぎ
着替えた朝の画面が夜明けを共にする
多くは語らないもの
真実を語れない夢
忙しさも糧にすれば立ち止まれないリズム
与えられた生活の中で
戻れない一日だけが過ぎてゆく
眼を閉じてみよう
何か 聴こえてはこないだろうか 。











自由詩 長い休符 Copyright アラガイs 2013-05-18 04:50:14
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