気にしないためのエチュード
殿岡秀秋

灯りを消してベッドに横たわり
脳裏に
小川を流し
縁に笹の葉を茂らす

夜眠れない
苛立ちを
笹の葉にのせて
流れるにまかせる

明日の不安は
確かにあるが
それも葉にのせて
見おくる

交渉が
うまく進むかどうか
という想いも
葉にのせてながす

残るものは
流れの音
ぼくは静かな闇で
聴く

今夜も悩みをてのひらにまるめて
笹の葉に乗せる
想いが闇に溶けるまで
くりかえす





自由詩 気にしないためのエチュード Copyright 殿岡秀秋 2013-05-15 05:48:48
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