名無詩
ただのみきや

遠近感を失くした心に
圧し掛かるコンクリート色の空
それは浮力を相殺し
ひと気のない公園の片隅に
鳩のよう
視線は堕ちて行く

否定も肯定もしない
午後の息苦しさは
酸欠した金魚のように
境界から身を乗り出させるが
人であることの悲しみか
絶対に死ねない自殺にも似て

シナプスが繋がるように
カラフルな遊具に子供たちが群れ始め
時は喫水線を上昇させる
鳥瞰された脳内に革命の狼煙は上がらず
紅茶のような夕焼けで手榴弾を飲み下す
震える胸の発芽

夜のような蜘蛛
理性が想像力を絡め取り
夢の堕胎作業が繰り返される
恥ずべき情熱の乱気流に
置き去りにされた肢体
昼が咥えたまま


自由詩 名無詩 Copyright ただのみきや 2013-05-15 00:45:44
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