一粒のチェリー
フゥ
一昨日は、君の誕生日だったと思い出しました
遅くなったけど、生まれてきてくれてありがとう
もう、君はこの世にいません
だから、私には何も出来ません
約束だけ置き去りで、一体私はどうやって君を幸せにすればいいんだろう
私自身が幸せになること、なんてありきたりの回答は、まだぴたりと当てはまりません
わからないけど、わからないから
好きだと言っていた一緒によく食べた
アメリカンチェリーを一粒、君にあげます
真っ赤なチェリーが一粒
白くて丸い皿の上
私は、それを食べました
食べてしまえば、なくなりました
見えなくなって、私はまた、いったん忘れるでしょう
さようなら、いつかまたどこかで