一粒のチェリー
フゥ

一昨日は、君の誕生日だったと思い出しました
遅くなったけど、生まれてきてくれてありがとう

もう、君はこの世にいません
だから、私には何も出来ません
約束だけ置き去りで、一体私はどうやって君を幸せにすればいいんだろう
私自身が幸せになること、なんてありきたりの回答は、まだぴたりと当てはまりません

わからないけど、わからないから
好きだと言っていた一緒によく食べた
アメリカンチェリーを一粒、君にあげます


真っ赤なチェリーが一粒
白くて丸い皿の上


私は、それを食べました
食べてしまえば、なくなりました
見えなくなって、私はまた、いったん忘れるでしょう

さようなら、いつかまたどこかで


自由詩 一粒のチェリー Copyright フゥ 2013-05-13 21:06:38
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