張り付いた仮面と、果たし状
まーつん

 顔をかきむしり
 皮を剥ぎ落とし
 血を雨と流しても

 自分の素顔が
 見つからないのであれば

 鮮血の海に
 溺れそうな
 二つの目に

 空を走る
 雲の足取りを
 追わせてみたら
 いかがでしょうか

 貴方の声はどこですか
 悲鳴を隠していませんか

 たしなみなんて
 いりません

 言葉が偽りを
 撃ち抜く弾丸で
 ないのなら

 世の中のみせかけと
 どうやって戦っていけと
 いうのですか

 腰に下げた二丁の拳銃
 空砲を詰めたところで
 脅しにしかなりません

 貴方の仮面を撃ち抜く
 言葉の弾を手に入れました

 だからどうか
 この果たし状の

 決闘に応じて
 下さいますよう



 愛しい貴方に
 申し入れるのです





自由詩 張り付いた仮面と、果たし状 Copyright まーつん 2013-05-12 11:19:50
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