精神と物質
はなもとあお

精神と物質

いれもの、と、なかみ
姿を持ち喩となるものとならないもの

ことばが
わからなくなった
真正面からしか見ていなかったから
裏側もわからなくて

スピリット

呼吸

勇気
活力

エスプリ
知性
才気

ガイスト


心に詰まる
意識や
気構え
気力
理念
元気
エネルギーは

すべての物質に注がれる訳ではない

人間の身体は物質か、否、か。

少なくとも生きている人間において
精神と物質は
ビュヒナーやマルクス主義の
運動や活物と一体で切り離せないもの
という見解は支持に値する
部屋を占めるものたちは
デカルトの
空間を占めるものと
理解するとして

知らなかった、という点において
過去は違ったけれど
現在において
ワタクシをあらわす
もの、を、まだ見付けてはいない、という点において
ワタクシにとって過去は消去された

空間的、精神的、移動を伴って
ワタクシは死に
そして
長い時を経て
もう一度生き返った


精神(信じて支えていた心)は一度死に
物質(身体)は死ななかった
そういうことだ


過去の私と今の私は同じ人間だ
物質(身体)は変わらない
けれど、精神は変わる
よって、動きも変わる


物質は精神をこの世に留めるものだ。


部屋を占めるさまざまなものたちは
そうして精神のあるわたしを支え
この世に留めさせる
ワタクシらしさ、というものをあらわしたりして

何を信じるか
何が見えているかで
精神は変わってしまうのに
物質は変わらない
だからといって
物質が正しい訳ではない


生命は
心臓が動いている限り
この世につなぎとめられる

身体の死後
精神を留めることは可能だ
言葉として
映像として
表現として

ことばは物質になりうる


人間において
物質(身体)は死ぬが
精神は生き続けることができる


死は平等に
どちらにも訪れるけれど
人間は
精神が死ぬこともある
物質が死ぬこともある
どちらが先に訪れるか、は、


運命、というものに
左右されるのかもしれない




自由詩 精神と物質 Copyright はなもとあお 2013-05-11 17:47:27
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