悲しみ
nonya
分かり切って
いることだけど
悲しくて
泣くのではない
涙が出るから
悲しいのだ
だけど
本当に
悲しい時
涙が出ないのは
心が空っぽに
なっちゃった
からではない
身体の真ん中で
感情が渋滞を
起こしているのだ
だから
彼の同情の街にも
彼女の激励の街にも
なかなか
行き着けないんだよ
ホバーリングする意識は
感情の渋滞を
つぶさに伝えてくれるけれど
いったいどんな顔をすればいい?
涙に似た水を流せばいいの?
ヘリコプターのローター音を
身体の真ん中で
聞きながら
どうして
みんな
悲しみ方を知っているんだろう?
と
思った