詩人口上
月乃助

 
御控えなすって 

御控えなすって くださいませ


さっそく御控えくださり ありがとさんで ございます

軒下三寸 液晶一面 借り受けまして

失礼さんに ございます

これよりあげます 言葉のあとさき

間違えましたら ごめんなすって くださいませ

手前 生国と発しますは、お江戸 日本橋です

ひがし都の台所 築地市場のおひざもと

聖人 路加の病院で産湯をつかい

姓は、故あってもうせませんが、

名は月乃助、人よんで 梵天の月とはっします

このたび これは、女のすることではありませぬ

それは、女の道にはずれます

そんな 四角四面の女家業に 嫌気がさし

男気もとめる 性転換

勝手気ままに 男士の道をあゆむことに

身も心も きめたしだいで ございます 

鳶のなきごえ 響きます

深山 森の竹矢来 

ひとり暮しの 仮住まい

不思議な縁もちまして

海のあちらの かなたより

いちどは、捨てた日の本の

故郷にもどって まいりました帰国者

商いは、母の代より他人さまの運勢みます 占い師

世のため人のため 粉骨砕身はげもうと

心にちかっておりまする

時がゆるせば 

つたない詩などをつづっては、我をみつめる創作魂

一念の 天へと登る道ばかり

精進と 北にいきましても 南にいきましても

とかく 土地土地のおあにいさん おあねえさんに

ご厄介かけがちの 若輩者でございます

以後どうか 見苦しき面体 ごめんつかまつり

お見知りおかれましては、

向後きょうこう万端 おひきたて 是非も宜しく

お頼み申しあげまする












自由詩 詩人口上 Copyright 月乃助 2013-05-09 09:42:41
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