くよくよすんなよ
ドクダミ五十号

ディランの歌さ
ハモニカと爪弾きのギターに乗って
「くよくよすんなよ」
ガスリーの代弁者として
立派に歌ったじゃないか
あらゆる機会を捉えて
くよくよしない為に生きようじゃないか

準備はイッツ・ハードな未来を見ない
血のように濃く
息のように儚く
花が枯れ萎む様に
一度枯れた命が
形を変えて黄泉より還る

時代は変わるとはこれじゃないか

庭の緑が教えてくれる
「ねえ?明日も朝は来るんだよ」
野のネギが葉の先端に微笑ましい蕾を付けて言う
鮮やか過ぎてわたくしは言葉を選ばねばならない

何も失われてはいない
永遠は常に生と共にあり
死との付き合いの只中に

死ぬまいぞ
死んで花実は咲くものか

人生を語るに幼いだろう
死を選ぶほど老成してもいないだろう

たかが庭の野蒜の蕾に
教えられるほどに
馬鹿な俺だから
女の声より選ぶのは
たくましい庭のみどりの声だよ

庭の枯れた葉をつまみ取る
「がんばったな」とか言いつつ

こんなにも五月の光に従順な
成長があろうか?
くよくよしている暇なんか無い
まともな医師に会いに行こう

匙を投げるのは
くよくよだもんな


自由詩 くよくよすんなよ Copyright ドクダミ五十号 2013-05-05 13:53:26
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