町のバイク屋
灰泥軽茶

せっかくの天気なのにバイクがパンク
すぐ近くのバイク屋さんにかけこむと
オートバイがたくさん詰め込まれている

車体の骨組みだけのもの
部品が飛び散ったスクーター
似たようなハンドルやライトが積まれて
青色をした背表紙の専門誌がタタタタと並ぶ

使い込まれた工具は足元や壁に散らばって
取り付けられた棚には
大小こけしのように並ぶスプレー缶
雑然としているのに整然とした心地良さ

後ろを振り返り見上げると
セピア色に滲んだ
峠のどこかでライダー達の集合写真が
額縁に何枚も飾ってある
みんな楽しそうに笑っている
はいできたよと
バイク屋のおっちゃんも
眉毛ふさふさしながら笑っている


自由詩 町のバイク屋 Copyright 灰泥軽茶 2013-05-02 19:49:44
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