現実
莉音

青空の描かれた箱庭の中で
或いは、人と時の消えた大都市で
僕はたったひとり歩いている

終わりのないこの場所で
あの日見た夢の続きを
まだ探している

皮膚はしわがれて
身体は動かなくなり
声は掠れ、顔は醜くなった

もうあれから半世紀も経ったのに
僕は目覚められないのだ
ありもしない夢の中から

わからないのだ
これが夢かどうかさえも

僕には

永遠に


自由詩 現実 Copyright 莉音 2013-04-30 22:20:30
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