陽炎に
雪 みあげれば
あっさりと あっさりすぎるほどに
春のよそおいを見棄てる
サクラでした
生の 爛漫が閉塞と終焉のはじまりなら、
未完でありつづけることを いたいほど心に願う
真実の花の色をたしかめたくて 目をとじた
満たされないことに 僕は、今日 とても懸命でした
人知れず カタカタと膝をふるわせ
時や世に 人であるという重石にあらがい
良い人のふりに 他人のために少しの涙をながす
イカサマ師さながら 自らをだまし
歴史画に名を残す嘘つきになろうと
心をくだいてみる
常人であろうと身をけずり
つまらない明日が、憎くてたまらず
たまらず ぎくしゃくと笑顔をつくった 日 ・ 夜
ここには、
散る花の樹陰には、いつも小さな宇宙が 真理がやどる
すべてを包みこむ罠にもにた
開示があると、それに気づいた 心象模様
人なれば
心をいやす 淡い花の色
僕は、それにだまされない けして、
踏みいる 第三反抗期 降る花の
サクラを 赤く 赤く
染めあげる