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ねなぎ

金が無い

働いてないのだから
当然なんだが
何しろ働くと言う事を
やめてしまって
何にもしたくないので
寝てばかりいるので
このゴミだらけの部屋で
自分までも腐ってしまいそうで
いや、腐っているので
もう何にも無いんだから
クビになったしフラれたし
実家には帰れないし
黄色い看板じゃあ
もう
貸してくれないし
どうせ生きていても無駄だろう

考えた
ビニールの袋やらペットボトルやら
ぐしゃぐしゃの新聞やら
脱ぎっぱなしのズボンやら
腐った卵やら
作りかけのガンプラ
そんな物をあさりながら
つらつらと考えていると
喉元にカッターを突きつけていた
そんな訳で
じゃあやってみましょうかと
さようなら大動脈
さようなら気管支
ぶつりぷつりと
引き裂くように力をこめると
あっけなくというか
あっさりしてるっツーか
ぱっくりと
いや
自分では見えないわけだから
わからんのだが
まあ
すっぱりと開いちゃって
ごぼごぼとべとべとと
気持ち悪いくらい
吹きで出てくるわけですよ
血がね
二番目の口だなんて
笑おうとしたら
むせちゃって
撒き散らしちゃって
布団やら汚れた茶碗やら
一升瓶やらタバコに
注がれてしまって
気持ちが悪いやら
鉄臭いやらで
そこら中赤くて
それを
手からこぼすのも
勿体無いとかって考えてしまって
それじゃってん

セメントに混ぜたら
これが速乾性でやがって
すぐにパキパキしてきたんで
あわてて首に塗りたくったら
あまりにも乗せすぎて

首が


未詩・独白 固定 Copyright ねなぎ 2003-10-28 23:25:48
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