靴とタンポポ
もっぷ

何度振り返ってもあのタンポポ
踏まれる場所に咲いている
アスファルトから芽を出して
どうしてもそこが良かったんだね

風からの問いに頷くように
そよいでもみたそうな
けれど地に這って咲いているから
応えることができないでいる

わたしは足許の君たちをみる
ふりをして本当は
きょう下ろし立ての靴をみている

春の一歩がやっときょうだった
南寄りの空気の気持ちが頬を撫ぜ
よく来たねって言ってくれてる



自由詩 靴とタンポポ Copyright もっぷ 2013-04-25 16:28:07
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