ネーミング
村正

そこだけは器用だった
二つの座標で審判になる
本能をかたる自虐に筋はない
責められなくなった


さじ加減は不器用だった
正直者はたいてい犯罪者
救うのはしってることだけ
肩まで透けても気付かない



呆れるくらい向き合ったら
悪が見つからなくなった



好きなものがたくさんあった
好きな人もたくさんいた



観覧車に乗って

誰も笑わない

今うみねこがくわえたのが孤独

遠くのコンテナは憎悪で出来ていて

あの大きな木は苦悩と呼ばれていて



それから、



見飽きない場所を探しに

目を伏せなくて良いように

カーテンは窓から放たれた

雲の下まで飛んでいく

ガーデンでも俺は鼻ったれだ

天国への入り口は案外安っぽい



それから、



深呼吸をして

窓からの風に名前をつける


自由詩 ネーミング Copyright 村正 2013-04-25 00:45:02
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