ダイブ
Lucy

君と初めて
手をつないで歩いた
赤錆びた鉄橋の上の
線路づたいに
まるで世界のはじっこに
流れ着いた人のような気分だった
空は重く
カラスが頭上を何羽も
飛び交い
柱の上からこちらを見下ろしたりしていた

予期せぬ出来事のように列車がやって来て
僕らは走った 狭い避難所に身を寄せ合うと
猛スピードで過ぎ去る時代の風圧に
君にかけてあげた僕の上着は吹き飛ばされそうだった

あの日鉄橋の一番高いところから
ダイブしたのは
僕の夢だったのか
君の夢だったのか
それとも
不吉なカラスたちだったのかい?







(初出「蒼原」60号)



自由詩 ダイブ Copyright Lucy 2013-04-24 21:23:23
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