夜の翼
梅昆布茶

地上の灯りが胸を刺し魂は飛翔を続けて
まるで未知の惑星系を探索するように浮かんでいる

永劫の時の打痕と蓄熱された空間
斜めに切り取られた過去の累積をトリミングしてみる

太陽が眼に焼きついて沙漠は渇いたままに
ながく伸びた影を吸い込んでゆく

夜はその小さな翼を震わせて地上の安息を図り
多くの物静かな浮遊物で満たされているが

無数の契約は履行されないままに白いサテンに覆われてゆく

夜の翼は低い羽音でハミングする
なにも知らぬげに

無垢の闇を纏っている






自由詩 夜の翼 Copyright 梅昆布茶 2013-04-23 10:41:53
notebook Home 戻る  過去 未来