バスに揺られて
灰泥軽茶

バスの中はおばあさんだらけだ

おじいさんは何処に行ったのだろうか

小さな小さなおばあさんは飴玉みたいな瞳で

少し高い場所から外を眺めている

歩く人を通り過ごし

自転車の人は追い抜いたり追い越したりしてるから

ちょっと可笑しい

太っちょのおばあさん同士はよくしゃべる

くっついてひっついて離れやしないリピートアフタミーンな会話

停留所でおばあさんが降りれば新しいおばあさんが乗ってくる

似ているような似てないようなみんなおんなじに見える

そんな私もおじさんという何の変哲もない石ころだよと

ブザーを押すとやけに色っぽい女の人の声で

次止まりますの声がする


自由詩 バスに揺られて Copyright 灰泥軽茶 2013-04-23 01:58:13
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