王様とピエロ
多紀





王様は絵画の中に

閉じ込められた

もうその存在も感情も

何もない




そしてピエロは解放された

ああもう貴方の為に

わたしは

笑わなくても良いのだ

泣かなくても良いのだ




わたしは人の哀しみを

売り物にしています

わたしはそれでご飯を

食べています

だからわたしの身体は

哀しみでできています




王様 貴方は

好い人でした

皆は気付かなかった

寂しい貴方の魂

寂しい貴方の美術館




わたしは人の哀しみを

売り物にしています

わたしはそれでご飯を

食べています

だからわたしの身体は

哀しみでできています






自由詩 王様とピエロ Copyright 多紀 2013-04-21 21:59:24
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