春の羽
灰泥軽茶

誰かが忘れた

飴色のカーディガンを羽織って

はっぱすきっぷじゃんぷして

風に乗る

滑るように

玉虫色に輝く茂るみどりの山を越えていき

鉄塔線の上に着地して

おーいおーいやほほいほーい

と大きな声で呼んでみると

朗らかな鳥の声がたくさん聴こえてくる

私は鳥の気持ちがにゅうと入ってきて

カーディガンをわっさわっさなびかせ

勢いよく滑空して宙返りをして

鳥の詩を歌いながら街へ降りていく







自由詩 春の羽 Copyright 灰泥軽茶 2013-04-18 23:07:38
notebook Home 戻る