地獄門
草野大悟

こわれた海のかなたに入学式は立っている。

蝶たちはずいぶん永いあいだ待たされ続け
いっそのこと青虫にもどろうか、と
いまにも
キャベツになりそうに思う。

耐えている桜が//可愛いい
いまにもイキそうな風情をたたえ
入学というコトバをアナライズする青空は
いつも哲学的思考しか産み出せない自分を
多少 うんざり気味に俯瞰するのだが
入学が、それを、ピシャリ、と遮断するのだ。

カシューナッツが入学したよ
バーボンとふたり
手に手を取り合って
アルクトゥルス(赤色巨星)に。

熊の番人は
赤色ボールペンや
この瞬間 原稿用紙のうえを走り回っているボク、
すなわちパイロットCUSTOM69(なんてセクシー)を
決っして
入学させることはない。

広がり続ける入学の欲望が
水星や金星や地球を飲み込んでしまうことが
確か、な、今、
入学は、本来の存在意義を失くし、
まっ青に立ち尽くしている。

奪われ続ける入学は
犯され続ける女と似ている。
 


自由詩 地獄門 Copyright 草野大悟 2013-04-18 22:17:01
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