リンゴもぎ
灰泥軽茶
青空の埋め立て地に粗大ゴミの山
私はクレーンを操作して
はさみでゴミをよりわけ
何かの電線に絡まりながら
つややかに光り生えている
赤いリンゴをもぎとり吊り上げる
そのリンゴは生きているように
脈打ちなまめかしい
私は落とさないように
そうっとひきよせ手にとり
心臓の近くのボタンを押し
カバーを開き
古いリンゴと入れかえると
新しいリンゴジュースが逆流し
私のオートメーションの身体は
元気に脈打ち始め頬に赤みがさす
自由詩
リンゴもぎ
Copyright
灰泥軽茶
2013-04-15 20:27:15
縦