性成る夜
めぐみ

眩しいライトをすり抜けて
光彩に映りゆくのはろうそくの火

生まれて初めて自分の影を知り
己を見つめる寸刻の時

さぁ始めようか、性成る夜。

君の織り成すビロードのマントは
私のサイズにぴったり合わせてあるから
「これをかぶって、今夜の舞踏会は君が1番綺麗だ」
だなんて 言うもんだから
張り切って声もあげようじゃない

目と目が合うのを照れて避けながら敢えて合わせる瞬間
呼吸と呼吸を重ね夜が更け

重ね重ね挨拶申し上げます、君に
お世話になっておりますお世話致します丁寧

痛い儀式で血を流す
痛い挙式で身を焦がす
ドレスはもちろん透き通る白
勝負下着を見て。

震える指先で確認する性
緑の芝生の上

頭の奥で鳴っている鐘の音
現実と理想の狭間で揺さぶり続けよう

性が成る夜
性を成す夜
性を捧ぐ君に







自由詩 性成る夜 Copyright めぐみ 2004-12-28 01:51:02
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