ゴチャゴチャうるさい現代詩
左屋百色
どんどん小さくなる世界で
名前も小さくなってゆく
美しいものから順番らしいので
わたし最後の方だからよく見える
あの建物に言葉が激突して
全部砕け散ったら
それが現代詩になるなんて
残酷すぎます
わたしの知っている現代とは
まだ名前をもらえていません
どんどん小さくなる世界で
ゴチャゴチャうるさい言葉は窒息死
それを注射針の先から
すこしずつ吸い取るなんて
現実すぎます
わたしの知っている暴力では
夜明けまで遠い
君が選んだその言葉は
あらゆるドアを開けてしまえる
名前を呼んでほしいけれど
その光にまだ反射できない
六か七か八次元あたりから呼んでくれたら
意味はないけれど
無意味がある現代詩を連れて
会いにゆくつもりです
わたし最後の方だから
すこし時間はかかります