愛
AquArium
流れている
あの冷たい鋭さも
巻き上げるすこし生ぬるい風に
変化という言葉の意味を知らされる
数多の言葉をもちながら
いちばん汚い形容詞を選んで
残る、取り残されたような感覚に
停滞した季節
でさえ、もう風が吹いている
なぜ気付けない
すでに在る愛に
より確かさを求めて傷つけあう道を
歩んでしまうのだろう
確認しあう無意味さと
その行為の奥にある危うさが
恐ろしく強い力で僕らを包んでしまって
抗えない運命に啼いても
流れている
最後に残るのは
ただ
愛であることを知る
桜が散っていたことに
切なさと共に胸を撫で下ろして、
生きてきた時間を実感する
また新しい季節に
あなたと縁を紡ぐことを
信じて
信じて
生きる