磔の床
中村 くらげ
投げつけあった苛立ちが
そこら中に散らばった
冷たい床の上
手足を広げ寝転んで
ベッドの下で遊んでいる綿埃が
捕まえてみろよと言っている
床の上に
張り付けのように
自分で生み出した呵責に
縛られた
蛍光灯は消えて
吐息と泣き声のするベッドの隅が
近くて遠い
何度繰り返しても
この静寂には慣れない
自由詩
磔の床
Copyright
中村 くらげ
2013-04-14 03:13:39