紅色のチューブ
まーつん

 君から赤を絞り出そう
 絵の具のチューブみたいに
 滴り落ちるほどの血を吸った
 むくむくの ナプキンのように

 つまらないんだろ?
 一体 何が楽しくて
 そんな風に 自分を苦しめるんだ?

 濡れた芝の上で
 雨に撃たれながら
 ピクニックをしようよ

 そして喉が涸れるまで歌おう
 キーが外れるほどに
 美しさが増していく歌を

 色鮮やかな羽根を見せびらかして
 一羽の鳥が藪の中から羽ばたく

 ジャケットの懐から
 小さなピストルを取り出し
 後ろ姿に 狙いを定める



 俺はそいつの
 血が見たい


 血が見たいんだ





自由詩 紅色のチューブ Copyright まーつん 2013-04-13 20:00:51
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