鏡たち
はるな
あなたがどこか遠く知らないところから
「あなた」と呼びかけるたび
なんにも知らない鏡みたいに
よろこびを反射させて光っていました
あなたがどこか遠くから
わたしでないだれかを呼んでいるときに
注意深くよろこびだけを反射させて
なんにも知らない鏡みたいに
あらゆるものを跳ねかえし光って
いました
自由詩
鏡たち
Copyright
はるな
2013-04-13 19:51:02