石女


大きく伸び縮みする時間、とポプラのあの不穏さ
を 考えているときに隣で編み
込む 糸を巻き付けて束ねて吸い込んだ製糸工場の裏


中心部分の球体をゆっくりゆっくりなぞりあげる
指の先からどんどん血が滲んでくる、回転
かつて 魂が六芒星だった名残を
文章を読み上げるスピードで(にきびをつぶすように)
ぼくたちは吐き捨てる

昨日の弦がインクの血を流すだろうし
おそらく知ったこっちゃない金髪の目
ぼくたちは卵巣を互いに交換している

彼女の話をし
た 墓場沿い
次元はとても緊張して融解する
釣瓶落としが過ぎていく
もはや嗅ぎ分けられない

腐った野菜の点滅
直線距離でおまえを結ぶ葉巻
紙面に焚き付けられたひかりが瞬いて消えたら
そっと軽薄にあいさつを


自由詩 石女 Copyright  2013-04-13 01:07:05
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