モズ
ドクダミ五十号

 冬の枝
 
 モズの一羽の

 声のあり

 鋭く響く

 空気を破り



 彼が梅の先端の

 鋭さに

 食う事も無く刺した

 蛙

 あわれあわれと

 干からびて


 冬の到来は

 知らされた

 はやにえ

 を

 見てしまえば



 問わずに置こう

 食わぬ事を

 にえの

 真実が

 如何に残酷かなど


 モズよ啼け啼け

 今は春

 泣いて血を吐く

 ホトトギス


 お前の代理が

 羽根を落とし

 それが栞に


 拾うた俺の

 本に挟まれ


 
 やけに苦い

 カフェだけれど

 再び開いて

 読むに

 便利だ


 やさしくは

 なきなきごえも

 ともとする


自由詩 モズ Copyright ドクダミ五十号 2013-04-12 08:10:03
notebook Home