スラング
茜井ことは


前略 くりちゃん

       
相変わらず人々が、散っていく桜のことばかり
気に留めて、嘆いたりしている春でしたね。
あなたが濡れてカワイソウだとドライヤーを
あてた綿毛は小さなタンポポを咲かせていて
それはあの日、泣きじゃくったあなたのようです。

針で傷をつけたクローバーは六つ葉になり
あまりのすごさに気持ち悪くなりました。
タイムリーな夢には慣れましたか?
願えば叶うなんて、残酷な嘘はだめですよ。
それではゆっくり眠ってくださいね。


草々 あなたの手を握りたい人




自由詩 スラング Copyright 茜井ことは 2013-04-10 14:52:05
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