後悔の木
灰泥軽茶
つむじから頭を覆うように
根がびっしりと生えている
後悔を繰り返す夢を見ては
少しずつ大きくなっていくので首すじが痛い
いっそのことごっそり
引っこ抜いてしまいたい衝動に駆られるのだけれど
果たしてそれで全てが解決する訳でもなく
また同時に全ての記憶が
なくなってしまうのではないかと怖くなるので
それなら何かに執着して
生きていかなければならないのかと煩悶すると
また少し後悔の木は大きくなっていく
しかし季節によって
後悔の木は形や色を変え
時には懐かしい匂いや和らぐ葉葉を落とし
優しい花を咲かすこともあるので
私は少し報われる気持ちがする