朝の近く
唐草フウ
朝の近くで
鳥はそうそう、何ごともなかったように
空の下 奏でている
わやくちゃになった己こころ
沈めたいともがきつつ
ただ座っている
朝が近づく
やっと明ける不安からのかいほう
新しいようなまたみるような日常
ガリガリとあたまのなか
砂消しのカスを熊手であつめたような
不完全さ
右向きになって泣いたら
左からこぼれるなみだが
右の目に入る
少し滑稽で でもどこかハッとして
固く目をつぶりその涙を外へしぼり出す
何をしてるんだろうな
春だとか、そんなこと
大きなことも忘れたい
ちっぽけすぎることで
寝がえりを打ちまくる
朝の近くで
あなたの鼓動が
さざ波の向こうからやってくる
差しのべた手、とともに