妖怪社員たちの朝(花粉編)
ぎへいじ


鼻からティッシュが離せなくなってしまったのか
哀れだな

もの かなしい
まるで親にはぐれた子像の泣き声
パオー パオー


これと言った朝の挨拶もなく適当に休憩室の椅子に座る面々


そう 目を擦っているのは
指先で玉の一点をしつこくかきむしり
自分の目玉を指でくり抜こうとしている

妖怪 目玉洗い

家から持って来た水筒のお茶で目玉をチャポ チャポして洗うつもりなんだろう


そこの頭のかゆいのは誰だ

何だ この白い物は

お前は“フケ出るゲ ”
こっちを向いてポリポリかくな

花粉症で足の指まで痒い

それは違うだろうに


ムズ
この感覚 まさか

鼻水が 鼻水が水っぽい

事務の女の子も怖がる
俺は 妖怪“鼻水鬼”

笑われていたのか
気がつかなかった



始業のチャイム


さあ ティッシュを持って
目玉を戻して
ねっちょり鼻水の指と指

手と手を合わせて みんなで タッチアンド コールをしよう


今日も安全第一 ヨシ!

仕事だ





自由詩 妖怪社員たちの朝(花粉編) Copyright ぎへいじ 2013-04-04 22:13:45
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