ブリキの森と紙の古城とウルサい湖畔の魔法
るるりら



□報告者/ るるりら -(2013/04/01(Mon) 01:49:27)

このほど発掘された石版には 解読の結果、このように記されていた。


***
なんどとなく残酷な人生の谷間に立たされて
命には限界があることを知らされようとも
終わりのあることを忘れてしまう おろかものたちよ

瓦礫の廃墟と化した街に おまえらが植えた森は実り
薔薇の花が咲いても その薔薇には 匂いも無い
この世の花は すべて木質化し やわらかい性質だと思って触れても
血が通わぬ物ばかり 

それでも 信じるのだ 
命の漲る世界が来ることを

空を見上げるのだ
脳天のずっと上に
そなたらの頭蓋骨と同じとても似た性質を併せ持つ岩があり

脳天のずっと上には 清涼で雄大な命の湖がある
今日も命の種が降り注いでおる

そなたらの頭蓋骨は珊瑚でできているが
あえかな 虹色の縞模様が空に無数に出でて
あやかしの歌 響くとき

いずれ
あの空の切り口から オレンジともトパーズ色とも言えぬ
柑橘系の発光色 飛び散り
すべての時空を つつむ 魔法の雨が降ろうぞ

さあ ユビキタス
ひとさしゆびに 止まれ雲 喰らえクラウド
天地がひっくり返えり
いずれ そなたらは ブリキと同じ匂いの血が通うであろう

わらわはパルプでできた古城に住む
わらわの説く 命の永遠を 信じる人々がいかに数すくなくなろうとも

人の骨が珊瑚になっている現在は今だけの幻想である
人の心がどんなに粗悪で
われらの体が いかに木質化しようとも
いずれ われらには ブリキ似た匂いの血が通うであろう

    愛を
    愛を学ぶがよい

    それがすべてじゃ
    そこから魔法が湧き上がる


***
以上が石版に明記されていた内容を解読した結果である。
尚 この石版と ともに葬られていた人骨を調査した結果
人骨の分析結果は 珊瑚の性質と同様であったが
政府はその事実を なぜか現在も隠したままである
                   2013 4 01***             
                   




自由詩 ブリキの森と紙の古城とウルサい湖畔の魔法 Copyright るるりら 2013-04-01 01:52:14
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