桜はトンネルのようでした
ドクダミ五十号

 捨て子は

 捨ててくれて

 ありがとうと


 十五の春の

 世間で一人

 散り始めた

 桜の小道で

 つぶやいた

 らしいです


 しらなくて

 よいことを

 しることが

 できたから

 らしいです


 トンネルに

 にていたと

 おもいます

 小道に桜が

 覆い被さり

 降るんです

 雪のように


 街灯の光は

 少し暖かく

 照っていて

 現のやみを

 ぽつりゝと

 明るくして

 くれました


 夢のように

 潜りぬけた

 きっとゝね

 振り向きは

 しない方が

 いいのかな


 捨て子は おもった らしいです


自由詩 桜はトンネルのようでした Copyright ドクダミ五十号 2013-03-30 21:45:48
notebook Home 戻る