古い町
灰泥軽茶
ゆっくりと回転する
地球儀の上で
つま先立ち
孤独と幸せ
目を閉じると
遠い古い町が風化して
ぼそりぼそりと崩れて
風に消えていくのが見える
軽いめまい
かかとから
身体は宙に投げ出されて
落ちていく
そのさなか波打つ音に海の匂い
遠い古い町に揺らぎながら灯る火
諦めと幸せ
小さな声だがはっきりと聴こえる
帰っておいでよと
哀切に唄う老婆の声がする
自由詩
古い町
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灰泥軽茶
2013-03-30 21:09:52
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