花びらの荷づくり
るるりら

匣が匣として閉じられ
いづれ花が華として咲く
あわい希望を閉じ込める

包丁は包丁として布に包む
棘が棘として働くように
強い怒りはやわらかくしまう

箪笥の隅でみつけた秘密が
甘酸っぱいなら心の中にしまう
春の日は 茶巾寿司の中にすこし

すこし しのばせておく
すると

さくらの はなびらが どこからともなく舞い下りて
わたしは やさしく おもいでの中の あの日にかえる

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※匣は、【はこ】と読んでくださいませ。美しい文字だと思っておりまして
    いつか使ってみたかったのです。

初出「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)に
投稿させていただいたもの お題は かんなさんです。

  http://anapai.com/CGI/cbbs/cbbs.cgi?H=T&W=T&no=0


自由詩 花びらの荷づくり Copyright るるりら 2013-03-26 17:39:16縦
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