雲の流れ
灰泥軽茶
小学生の頃だろうか
小さな空き地で野球ごっこをしたあと
寝転がって
雲をじいっと眺めていると
ゆっくりとゆっくりと動いているように見えた
初め自分自身が
どこかに流されて行くのではないかと
急いで地面を確かめ
あぁここにちゃんといるんだとほっとした
だいぶん月日が流れ目を閉じ眠っていると
ゆっくりとゆっくりと雲が流れていく
あの頃の情景が浮かびあがり
今度はゆっくりとゆっくりと私は流されていき
時間と空間は次第になくなり闇が訪れる
朝になり目が覚めると
子供の頃の私が
まだどこかで目を閉じて雲を眺めているようで
おーいと心の中で呼んでみる