雲の流れ
灰泥軽茶

小学生の頃だろうか
小さな空き地で野球ごっこをしたあと
寝転がって
雲をじいっと眺めていると
ゆっくりとゆっくりと動いているように見えた

初め自分自身が
どこかに流されて行くのではないかと
急いで地面を確かめ
あぁここにちゃんといるんだとほっとした

だいぶん月日が流れ目を閉じ眠っていると
ゆっくりとゆっくりと雲が流れていく
あの頃の情景が浮かびあがり
今度はゆっくりとゆっくりと私は流されていき
時間と空間は次第になくなり闇が訪れる

朝になり目が覚めると
子供の頃の私が
まだどこかで目を閉じて雲を眺めているようで
おーいと心の中で呼んでみる





自由詩 雲の流れ Copyright 灰泥軽茶 2013-03-23 14:23:09
notebook Home