夜桜
nonya


微かに震える
指先で闇に
縋ろうとする

あなたの薄紅の
吐息がひとひら
わたしの頬を掠める

見上げる
わたしに言葉を
飲み込ませ

むせ返るような
吐息を幾重にも
重ね着したあなたは

春の酔いに
麗しく
浮かび上がるばかりで

決して闇を
その腕に
抱き締めることはできない




自由詩 夜桜 Copyright nonya 2013-03-22 21:33:05
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