あるきだし
しんとよみ

どんなに光をかき集めたって、行き先を照らしてはくれない。
自分自身で、自分の手で。
薄暗いなら
私にかかる蜘蛛の巣を、端から蹴散らしてやればいい。
薄暗いなら
留まって安心しようだなんて、もっと輝く場所を探せばいい。

ゴマの粒ほどの違和感を感じて
見えぬ聞こえぬ知らぬと放置して
気がつけば巨大なブラックホール
何もかも、吸い取ってしまう

その吸引力、ダイソンも真っ青ね。

掃除機に跨って空を舞うあの子のように。
自由に、自分勝手に、気まぐれに。
そう、そろそろ、心を決めないと。
そろそろ、旅に出ないと。
続きがはじまってくれないの。
だからありがとう、さようなら。


自由詩 あるきだし Copyright しんとよみ 2013-03-22 19:46:00
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